【※注意】ダンまち最新19巻感想【ネタバレあり】
今回は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか第19巻』の感想をネタバレ全開で書いていきます。
結論からいって、今回も超最高でした!
【※注意】この感想記事では感想や考察なども行いますが、
- 作品内の大事な情報
- 起こった事象
- 結末
- 情報から考える今後の予想
などにもしっかり触れていますので、ネタバレが嫌な方は本編を読んだあとにお読みくださいますよう、お願い申し上げます。
それではまずはあらすじからいきましょう!
18巻までのあらすじ
ここまでの大まかなあらすじまとめです。
16巻~18巻では、神フレイヤがベルを手に入れるため暴走。
フレイヤファミリアvsヘスティアファミリア&迷宮都市同盟軍
という作中最大のバトルが描かれました。
温めに温めてきた原作史上最高に熱い戦い・ドラマとなっておりますので、ダンまちファンでまだ読んでいないという方はぜひ読んでください。すごかったです。
▽感想記事はこちら▽
そんな激アツな戦いの後始末はどうなったのか!!
というのが19巻のまずはじめに気になる内容となっております。
さらに、すでに読んでいる方はご存じの通りだとは思いますが、この19巻の内容は作品内の時系列でいうとスピンオフ『ソードオラトリア』の第13巻の完全に裏表となっております。
レフィーヤが活躍した13巻内でもベルは「学区」でちょいちょい見切れてましたが、一体全体何をしていたのか?
そんな楽しみ方も出来る本作となっております。
▽感想記事はこちら▽
19巻あらすじ(公式)
「学区が帰ってきたぞぉぉぉ!!」
美神の派閥との戦争遊戯が終結し、慌ただしく後始末に追われる迷宮都市に、その『船』は帰港した。
『学区』。ギルドが支援する、移動型の超巨大教育機関。
ひょんなことから学区に潜入することとなったベルだったが、ある人物と似たハーフ・エルフの少女と出会う。
「私、ニイナ・チュールっていうの。よろしくね、ラピ君!」
様々な出会い、『騎士』との邂逅、そして学園生活。新章とともに新たな冒険が幕を開ける迷宮譚十九弾!
これは、少年が歩み、女神が記す、
――【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――
ではここからは19巻ネタバレ感想会、いきましょう。
19巻ネタバレ感想・考察
1,フレイヤ事変顛末
まずは18巻の流れからですが、前回ベルたちに負けたフレイヤファミリアの沙汰についてです。いきなり気になるところ。
以下の通りとなったようです。
- フレイヤ:「ミアの酒場のシル」として生存(もうフレイヤにはならない)
- ヘルン:フレイヤから分離して生存
- フレイヤファミリア状況①:酒場で雑用、改宗はせずも表向きは解散
- フレイヤファミリア状況②:ヘスティアファミリアの傘下に(護衛などに従事)
ということで、かなり衝撃的な状況になっていることが判明します。
とはいえ負けても命までは取らないのは闇勢力との戦いとは趣が違うので、死人がおらずちょっとホッとしたのも事実です。
フレイヤの主力ほぼ全員がミアにこき使われている様子はけっこうギャップがありますが、戦争遊戯で春姫のレベルアップ魔法が世間にバレたので、その護衛も請け負っているとのこと。
ここではフレイヤはシルとして生存しており、反省しつつもどこか変わらない日常が描かれます。
- エプロンガリバー四兄弟
- 酒場で料理を運ぶオッタル
- 妹に付きまとわれるアレン
- ヤンデレが開花したヘルン
- やり手メイドのヘイズ
- 厨二給仕のへグニ
など、今までギャグパートに一線を引いていたメンバーがベルたちとギャーギャー絡む様子は新鮮です。
なんとなく街に反目していたフレイヤファミリアのメンバーたちが本当の意味でオラリオの仲間になったのだと実感。
良い描写だと思いました。
2,ヘスティアファミリア超進化
さて、フレイヤファミリアの沙汰は上記の通りですが、我らがヘスティアファミリアにも変化がありました。
それは、「リューリオンの加入」です。ブラボー!
前回Level6になって力を貸してくれたリューですが、もう一度アストレアに会いに行き、改宗の許可をもらってきたらしいです。
ちなみに書類上死亡しているため、名前は「リュー・アストレア」に改名。
これでヘスティアファミリアメンバーは以下の通り。
- 団長ベル:Level5
- リュー:Level6
- 命:Level2
- ヴェルフ:Level2
- リリ:Level2
- 春姫:Level2
第1級冒険者2名を擁する少数精鋭でファミリアランクもD→Bにアップ。
ダンジョンパーティとしてもリューが加入したことでバランスというかレベルが数段上がり、あえて弱点を言うなら「もう少しだけヒーラー・魔術師が厚みがあれば良いな」くらいなのだとか。
さらにエイナさんによるとフレイヤファミリアを傘下に収めたということで、ギルド内の暗黙ではなんとランクSになったとのこと。
もはやこれはロキファミリアと双璧です。最終局面なのかもしれません。
驚きの展開です。
ということでここで話の流れをぶった切りますが、勢力確認のため、主要上級冒険者のLevelをまとめます。
3,Level状況整理
ここでは19巻に直接関係ないですが、物語も佳境ということで各キャラのLevel状況を整理します。
19巻、およびソードオラトリア14巻までの内容では以下の通り。
(主要キャラということでLevel4以上)
- Level7:オッタル、フィン、ガレス、リヴェリア
- Level6:リュー、アイズ、ティオナ、ティオネ、ベート、アレン、ヘディン、へグニ、ミア、アルガナ、バーチェ
- Level5:ベル、シャクティ、椿、ガリバー四兄弟、フリュネ、アナキティ
- Level4:レフィーヤ、ラウル、アリシア、クロエなど酒場メンバー、アイシャ、アスフィ、ヒュアキントス
こんな感じですね。Level3に関しては割と何人もいますし、主要キャラはおそらく全員ここまで辿り着くと思うのでこれ以下は省略しました。
色分けでいうと赤がロキファミリア、青がヘスティア・フレイヤファミリアとなっているため、もはや迷宮都市はロキとヘスティアの2大巨頭体制といっても差し支えありません。
『ダンまち』はベルとアイズの話でもあります。
もちろん協力もするでしょうが、この2勢力がどこかで真にぶつかるということもあるのでしょうか?
この辺りは要注目ですし、作中半年でここまでランクアップしたベルはやはり異常という他ありません。
ということで寄り道しましたが、19巻について進めていきます。
4,やってきた「学区」とベル入学
ここで『ソードオラトリア』第13巻の内容、「学区編」とぶつかります。
空に浮かぶ巨大学術船「学区」。
オラリオへ寄港のタイミング、レフィーヤは正規の手続きでリクルーター兼指導官として一時帰還を果たしたのですが、今回ベルはまたしてもトラブルメイカー・神ヘルメスの導きで学区に潜入。
その後なんやかんやでお許しをもらい、正体を隠しての一時入学となりました。
作中でも語られた通り、ベルはまだ14歳ということで、学校も新鮮な様子。学びながら視野が広がっていくところにもベルの成長を感じられました。
しかし、その成長を計画的に図っているヘルメス。
彼はどこまで先を見ているのでしょうか?
よく「世界は英雄を待っている」と言いますが、それは一体なぜなのでしょうか?
少しずつ明らかになってきます。
5,もう一人のLevel7
「ラピ」と偽の名前や経歴で入学することになったベル。
担当教員はレオン・ヴァーデンベルグという先生で、この人は黄色い声援を一身に受けるイケメンかつ気配りの出来る男の中の男。
なんですが、なんとレオンこの人こそ学区のLevel7こと「ナイトオブナイト」であったのです(ソードオラトリアで見た)。
Level7は先ほどのまとめを見ても分かる通り、現在の世界最強。
今回戦う描写こそなかったですが、この存在感はこの先確実にストーリーに絡んできます。
挿絵も超かっこいいし強そうですよ。
本編必見です。
6,作品内の世界情勢と伏線
今回の19巻、そして『オラトリア』13巻では学校の授業の中や先生の口からたびたび世界情勢や他国の情報が語られました。
実は19巻まで出てるのに世界全体の様子ってあまり分かっていないですよね。
またエイナサイドの視点として迷宮都市(オラリオ)の中でも様々な動きが蠢動している様子が見られます。
さらにあとがきで作者大森藤ノ先生は「今回でだいたい伏線は張り終わった」という話をされていますので、考察含めて、今回の情報をいくつかまとめます。
◆ダンまち世界の強者はどこにいるのか?
戦闘訓練を控えた生徒たちに対してオリエンテーションで語られた内容です。
興味深かったので書いておきます。
▽作品内で強者として設定されている者たち
・帝国の騎士
・海洋国(ディザーラ)の海兵
・魔導大国(アルテナ)の宮廷魔導士
・迷宮都市(オラリオ)の冒険者
ということです。別作品でもアルテナは話に出てきますし、今後の物語のどこかで交わると面白いと思います。
◆世界情勢と今後の展開予測
もう一つが世界情勢に関するものです。
これはダンまちワールド内におけるラストバトルに位置づけられている「隻眼の黒龍討伐戦」につながるもので、今後の展開に直結する内容と考えられます。
キーワードは以下の2つ。
- 訪竜問題
- ダンジョンエレベーター
〇まず「訪竜問題」。
これは隻眼の黒龍が逃げ込んでいるという世界三大秘境の1つ「竜の谷」で竜種モンスターが多数発生し世界人類に牙をむき、世界が壊滅に向かっているという話です。
ダンまちではこれまで迷宮都市以外の話も登場してきましたが、ベルにとってダンジョン以外で最強クラスのモンスターと向き合わなければならない可能性がある展開は初めて(劇場版は別として)。
また、ダンジョン探索においても「超深層では敵が竜種になってくる」ということは過去に作品内で語られています。
このことから学区編が終わり第1級冒険者になったベルにとって、ダンジョンであれ、外の世界であれ、次の敵は「竜種のモンスター」ということになりそうです。
〇次に「ダンジョンエレベーター」です。
今回は「学区でのベルの活躍」が描かれましたが、途中、ギルドの様子も描かれました。
その中でエイナが参加した会議で検討されていたのが「巨大立杭シャフト」と「ダンジョンエレベーター」の建設です。
これはダンジョンに大きな金属製の杭を打ち立てその中にエレベーターを建設、冒険者のダンジョン攻略の利便性を高めること(かつオラリオの繁栄)が目的のようです。
ギルド長ロイマンはノリノリで議論を進めましたが、エイナの不安の様子やこれまでのダンジョンの経緯から見て、これは新たな火種やトラブルの元になると見て間違いないでしょう。
というのも「ダンまち」ではこれまでダンジョンの不規則性や未解明の秘境っぷりから「ダンジョンが生きているようだ」という表現が為されています。
ここに鉄杭ぶっさして何も起きない訳がありません。
黒龍討伐と同じくらい大事なダンまち世界の謎、「ダンジョンって一体何?」という部分に触れる展開もそろそろ描かれるのではないでしょうか?
ちなみにギルドの伏線でいうとフェルズも何やら製作に取り掛かっています。
単なるアクションや冒険活劇だけでなく、サスペンス・ミステリーとしても面白さを持つダンまち。
黒龍討伐とダンジョンの謎が絡み合いそうな今後の展開にワクワクが止まりません。
ということで19巻内容に戻ります。
7,ベルのスクールライフ
引き続き、学校長バルドルのクラス(ファミリア)で学ぶベル。
偶然(必然)隣の席になったニイナ・チュール(エイナの妹)に学業を支えられながら、問題児揃いの小隊に属し、陰ながら彼らを導いていきます。
オラリオに寄港しているということで学生もダンジョンにいっしょに潜るわけですが、この辺りの描写は昔からの読者にとってベルの経験値が感じられて感無量です。
ダンまち第1巻から見ている読者には、成長したベルがめちゃめちゃ頼もしい。
協調性皆無だった学生メンバーもだんだん精神的に成長。
いっしょの小隊に入っているニイナも回復薬&隊長役としてタフになっていきます。
ベル自身も視野が広がり、一度帰った際のダンジョンアタックでファミリアメンバーに成長を褒められます。
(ちなみにリューのバトルも見られます。めっちゃ強いです。)
この辺り「これぞ青春だ」という良い感じ。
しかし、これで終わらないのが『ダンまち』なのです、、。
8,やはりトラブル体質
学生によるダンジョン遠征最終盤、ベルがいるからなのかは分かりませんが、当然トラブルが起きます。
お決まりの岩盤崩落事故です。15階層でモンスター大発生により岩盤が崩落し動けなくなります。
15層での崩落でにっちもさっちもいかなくなったベル一行こと第3小隊ですが、ここで18階層のアンダーリゾート、おなじみのダンジョン内の街(リヴィラ)を目指すため、あえて階層を降る決断をします。昔リリが同じ決断をしましたね、懐かしい。
過去の本編ではこれはかなり決死行でしたが、今回はベルの経験値があるため余裕を持った運びに。とはいえ学生にはキツい展開でした。
しかし最後の最後なんと17階層で討伐済みのはずのボスゴライアスがまさかの復活!
学生を連れてでは勝ち目が薄いとベルは逃げの一手を判断。
なんとか生き延びアンダーリゾートに辿り着き、ことなきを得るのでした。。。
ちなみにこの事故は別角度で『ソードオラトリア』13巻でも描かれ、レフィーヤや第7小隊の成長も促す一件にもなったのです。
↓その様子はこちらに
9,やはり主人公は一味違うぜ
やっと落ち着き、アンダーリゾートで野外キャンプ。
みんなが寝静まった夜半、ニイナとベル(ラピ)の会話の中で、物語の端々に描かれていたニイナの過去が語られます。
彼女の悩みは「姉を超えられない劣等感」でした。
超優秀学生だった姉エイナの幻影を追う内にニイナは自信を擦り減らし、自分のやりたいことを見つけられず袋小路に迷い込み、姉に対しても素直になれずにいたのです。
(姉とは年が離れ面識が薄かったこともあります)
これに対しベル(ラピ)は一計を案じ、ボールドたちアンダーリゾートの冒険者を護衛として第3小隊を第25階層の大瀑布に行く修学旅行を提案。
「頑張ってる人はその先に感動出来る何かがあって、報われたら、もう少し頑張ってみようかなって顔を上げれらる気がするんだ」
そんなこんなでダンジョンの神秘やリアルな冒険者の日常に触れ刺激を受ける面々。
ニイナも満面の笑顔(おや?)。
しかしここでもトラブル、、まさかのドラゴン型モンスター登場で大騒ぎ!
とはいえそこは主人公、ラピことベルが今度こそ大立ち回りを見せます。
刺激を受けたニイナが限界を超えた脅威の回復魔法でサポートをする中、ベルが最強の大技「アルゴ・ウェスタ」でボスを一刀爆殺。
ニイナが美しく跳ぶ白兎へ憧憬を輝かす中、ラピのかつらが音を立ててずり落ち、ついにベルの正体がバレてしまうのでした。
ちなみにこのときの帰りの様子はソードオラトリア13巻で描写があって、ベルのことを熱いまなざしで見てる女の子がいたのだとか(レフィーヤ談)。
あーこれは、、。
19巻まとめ:ニューヒロイン爆誕!全伏線回収へ!?
というわけでラストエピソードに触れつつ、今回の内容のまとめです。
ラストエピソードではエイナとニイナの関係が修復。
お互いがしっかりコミュニケーションを取れる関係になりました。
最後の最後にニイナは進路について
「ヘスティアファミリアに入ること!」
「すごい冒険者になること」
「ベルクラネルさんの隣で戦うこと!」
という爆弾をベル君ラブの姉に向けて爽やかにブチ上げ、やる気満々ニューヒロイン爆誕と相なったのでした。
おい!姉だけでなく妹もかよ!
あの愚兎!
結局新たな爆弾作りやがった!
◆newヒロイン情報
- 名前:ニイナチュール
- 学区、バルドルクラス(ファミリア)所属
- Level2
- ハーフエルフ
- 13歳
- ヒーラー/魔導士
- ギルド職員エイナ・チュールの妹
- 大技「ラグリエル・クリスヘイム」:状態異常無効化・継続治癒
- 就職志望先:ヘスティアファミリア
- 夢:ベルクラネルと冒険すること
ということで19巻のまとめです。
- フレイヤ軍団→ヘスティアの傘下に
- リュー→ヘスティアファミリア加入
- ヘスティアファミリアの不足→ヒーラーor魔術師
- ニューヒロイン爆誕→ニイナ・チュール(ヒーラー)
- 隻眼の黒龍のいる「竜の谷」によって起こる災害は全世界規模で拡大中
- ダンジョンに大型エレベーターの建設計画
- 世界は英雄を欲している(不穏)
- 「学区編」→あと1巻で終わり
ということでした。
最後の「学区エピソードがあと1巻」というのは作者のあとがきで明らかにされたことです。
学区編は『ソードオラトリア』13巻で始まり、そのスピンオフと同時並行で進んだ今回の19巻でも話題になりましたが、こちらも学園ものとして非常に楽しめました。
あと1巻ということで、ニイナがヘスティアファミリアに入るのか、また第7小隊の面々がロキファミリアに入るのか(これはこちらを参照)など、新しい出会いを考えただけでウキウキします。
また、今回の19巻は新ヒロインのニイナを通じて将来に対してモヤモヤを抱える若い人たちへのメッセージとなっていたと思います。
夢とか確かに、真正面から考えると難しいですよね。作者のあとがきも思いやりがあって非常に胸が熱くなりました。
若い人も、もう一度熱くなりたい、熱中したいという人にはおすすめの1冊かなと思います。
さらにあとがきには「伏線は張り終えた」という気になる記載が、、、。
これはさらに盛り上がってきますよ!
そんなわけで19巻、大満足でした。
サクッと読めるので、お休みのお供にぜひどうぞ。
20巻が待ち遠しいですね。
今回はここまで
それでは
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