ガンダム水星の魔女第23話『譲れない優しさ』感想・考察(ネタバレあり)
今回は『ガンダム水星の魔女第23話』の内容と感想をまとめて述べていきます。
記事の性質上ネタバレありです。
まずは今話に関するツイートから。
23話視聴。
— 山田 (@YxMxDx) June 26, 2023
クワイエットゼロ(アクシズ)に加え唐突にソーラレイとサイコガンダム的全方位ビーム(シュバルゼッテ)が登場したので、やはりこれはガンダムでした。
今回の内容は以下の通り
1.グエルくんは弟キラー
2.エラン、アクロバットする
3.令和のソーラレイ
次回最終回。お楽しみに。#水星の魔女
ということで、最終回目前の今回も盛りだくさん!
見どころいっぱいで最高でしたね。
ということで、激動の23話を振り返ってまいります。
今回の流れは以下の通り。
✓本記事の流れ
- 第23話公式あらすじ
- 第23話ダイジェストと感想
- 第23話最終回考察
流れに沿いながら各テーマを追っていきます。
まずはあらすじを確認し、感想・考察へいきましょう。
※音声配信もはじめましたので、よければこちらもお願いします※
工事中
23話公式のあらすじ
キャリバーンを駆り、エリクトと真っ向から想いをぶつけ合うスレッタ。
グエルもまた、ミオリネへの激しい憎悪を燃やすラウダと対峙する。
乱戦の中、ミオリネたちを乗せたロケットは、クワイエット・ゼロへと向かう。
(公式サイトより)
23話ダイジェストと感想
まずは23話ダイジェストです。
今回はおおまかに4つの場面で見ていきます。
今回は感想を挟みながらいきたいと思います。
ここから先は完全にネタバレとなりますので、ご注意ください。
- ①スレッタ対エリクト
- ②グエル対ラウダ
- ⓷ミオリネ対プロスぺラ
- ④宇宙議会連合の暴走
いきましょう。
①スレッタ対エリクト
データストームの影響を受け、苦しみながらもガンダムキャリバーンで善戦するスレッタ。
ガンダムエアリアルことエリクトは自身の分身たちであるガンヴォルヴァと連携しながらスレッタを追いつめてゆく。
「スレッタのわからずや!」
「エリイも、お母さんも止めたい、悪い魔女にはなってほしくない!2人が大好きだから!」
どちらも戦いたくはない。
しかし、戦闘は激しさを増すばかりであった。
①感想
ここはスレッタとエリクトが互いに譲れないものを主張し合う場面。
エリクト的にはお母さん(プロスぺラ)の願いをかなえてあげたいという感じなんでしょうかね。
スレッタ的にはそれで誰か見ず知らずの大勢の人に迷惑がかかるなら止めなければというのは作中でもセリフに現れていました。至極まっとうです。
しかし、親であれば子供の幸せのために出来ることはなんでもしてあげたい、と思うのは不思議な事ではありません。
人の道を外れるのは原則NGですが、それでも何とかしたいもの。
ましてや娘の生き死にがかかってますから。
筆者はそれがプロスぺラを憎み切れない原因なんですが、そんな親を持つスレッタは健気だなと思います。さすが主人公と言っても良いです。
というのも筆者としてはスレッタがプロスぺラを放っておいて関与しないのもアリだと思うのです。復讐もエリイのことも、スレッタが頑張ることではないですから。しかも捨てられたと言っても良い状況です。
ですが彼女が「何一つ諦めない」。そしてポジティブ。
やや強引ですが、ここにアニメ主人公の潔さを感じてしまいました。確かにバナージ君も絶対あきらめなかった。現代に生きる者のタフさが出てます。
さらにMS戦。
ガンダムエアリアルは主人公機としてこの『ガンダム水星の魔女』に登場しましたが、まさかラスボスになるとは思いませんでしたね。
確かにエアリアルは登場から最強で、第1話でファンネル(ガンビット)を使ったので、「たとえ敵でもこれを超えられるか?」と思っていたらやはり最後までMS戦闘では負けませんでした(顛末はこの記事後半へ)。
そしてスレッタのMS操縦技能はとても高いことも特筆すべきことでしょう。
結局エアリアルがいなくても、ガンヴォルヴァの攻撃を全ていなしてしまっています。
キャリバーンの推進力も相まって、非常に高い運動性能を発揮しました。
スレッタは20話でリプリチャイルド(要は多分クローン改造人間)ということが判明しましたが、パイロット技能も遺伝子プログラム済みなのでしょうか?
彼女は身体技能も高いので、その辺りがデザイン出来るのかなど、この世界のリプリチャイルド事情を知りたいところです。
②グエル対ラウダ
一方ぶつかるグエルとラウダ。
それを見たフェルシーは思わずシャトルを飛び出す。
ガンダムに乗ってまで兄の前に立ちはだかり、ラウダは叫ぶ。
「なぜあんな女にこだわる!?あの女のせいでペトラは!なぜ父さんのことを黙っていた!なぜ兄さんは1人で背負う、そんなにおれは頼りないのか!」
シュバルゼッテの装備と猛攻に、グエルも押されていく。しかしラウダの体は確実にデータストームによって蝕まれていた。
「やめろラウダ!話を聞け!ガンダムに乗っては、、、!」
ー過去の想い出が思い出される。
幼いころ、はじめて出会った腹違いの弟を、兄は優しく抱きしめ、優しく語りかけてくれた。
「おれに弟がいたなんて、うれしい!」
ー思い出がラウダを追い立てる。
「兄さんの罪も!ジェターク家の誇りも!おれが背負う!ラウダ・ジェタークが!」
交わる刃、そのとき、兄は剣を収め、受け入れる。
崩れるディランザ。
「おれはもう逃げない、父さんからも、お前からも。だから、ガンダムなんて、もう、乗るな、、」
「だ、ダメだ、兄さん逃げて、」
正気に戻るラウダの目の前で、グエルのコクピットは爆発寸前。
しかし、、
間一髪、間に合ったフェルシーによって機体は消火されるのだった。
「2人とも馬鹿なんスか!?兄弟喧嘩で死ぬとか笑えないっスよ!!!」
「確かに、笑えないな、。」
グエルの疲れた笑いが、宇宙に響くのだった。
②感想
ということで、最終話直前でケリがついたジェターク家の兄弟喧嘩でした。
とにもかくにも、どちらも死なずに済んで良かったですね。
暴れ回るシュバルゼッテなんて、もうサイコガンダムにしか見えませんでしたから。「フォウはラウダだったか~」なんて思ったりしました。
フェルシー怒りの消防行為は、私たち視聴者の心も安堵させてくれました。
ほんま良え子やで。メス●キなんて言ってごめんね(世間が)。
「兄弟喧嘩→回想シーン」なんてもう死亡悲劇フラグのお手本のような展開でしたし、グエルは天国に片足突っ込んでましたからね。
彼女の行動はこれまでのガンダム44年の悲劇の歴史をひっくり返したと言っても過言ではないと思います。アニメ界のアカデミー賞です。色んな時代にタイムリープしてほしい。
しかし、これであの兄弟はフェルシーにもペトラにも一生頭が上がらないでしょう。敷かれなさいよ尻に。
さて、グエルとラウダの出会いの回想シーンが描かれました。
設定で言うとラウダは「グエルと腹違いで同学年の兄弟」ということでなかなかに複雑な生い立ちなのですが、グエルの天然ジゴロによって手なずけられたことが語られました。
「オレに弟がいたなんて、すげーうれしい。」
だそうです。そりゃ堕ちちゃいますよあんな素直に受け入れられたら。
というのも日本の歴史をみても異母兄弟関係は跡目争いの政敵になりがちで、一歩間違えば骨肉の争いになるもの。
ラウダも周囲の様子から子供ながらに不安を感じていたのだと思いますが、こんなファーストインプレッションだったら「兄を支えたい」と思ったのも頷けます。良い兄弟ですね。何してんのよほんとに。
フェルシーに関しては十中八九グエルラブだと思うので、ペトラとラウダといっしょにファミリーになってくれたら、10年後のジェターク社はハッピーだよなと感じました。
そんなわけだから、早よ起きなはれ。ペトラはん。
③シャトル潜入(ミオリネたち対プロスぺラ)
ミオリネら潜入班はチュチュの操るデミバーディングとシャトルで隙をついてクワイエットゼロに潜入していた。クワイエットゼロに直接停止コードを送るためである。
しかし潜入早々、AIドローンに足止めされる。
それを辛くも逃れたミオリネ一行だが、操作室では打ち込むだけで良かった停止コードに機械が反応しない。
「停止コードは変更させてもらったわ」
現れたのはプロスぺラ。
激しい白兵戦が展開される。
「スレッタのことはどうでもいいの!?」
「あの子には、あなたたちがいるじゃない」
「母親なら、等しく愛してやりなさいよ!」
「言ってくれるわね」
決死の覚悟を見せるベルメリアやエランが妨害しようとするドローンやプロスぺラと銃撃戦を展開する中、怒りのミオリネは1人、プログラムの根本にアクセス。
プログラム停止のマスターコードは、ミオリネの母親ノートレットがトマトに遺した言葉であった。ミオリネは祈るように叫ぶ。
「私も愛してる!お母さん!」
それと同時にエランの撃った弾丸が、プロスぺラのヘルメットを弾き飛ばす。
ややあってクワイエットゼロは停止。
ミオリネらの活躍によって、作戦は成功。
しかし、この機会を千載一遇とする勢力があった、、、。
③感想
ということでクワイエットゼロ内部での攻防でした。
結果クワイエットゼロを無力化ということで、ミオリネはやはり「やる女」ですね、さすがの実行力。
しかし、台詞でプロスぺラの母の事情を汲んであげない(気持ちに全く寄り添わない)ところがやはりデリングの娘だなという感じもしました。
ミオリネの正論も分かるんだけど、家族になるならその辺の痛みも分かってあげてほしいとおじさんは思ってしまいました。
さて、それはさておき、この場面のここでの見どころは「5号くん」と「ベルメリアさん」じゃないですかね?
まずは5号くん。いや、5号くんの動き、完全にハリウッド映画でした。ミッションインポッシブルのイーサン・ハントもびっくりの曲芸撃ち。彼はそもそもパイロット操縦技術も高いし、射撃や運動技術も高い。たぶんガンダムウイングの世界でもやっていけますね。終幕直前にSNS上でもかなり株を上げてきているようです。かっこよかったです。
そしてベルメリアさん。心の弱い大人(普通の人)の象徴として描かれてきた彼女ですが、プロスぺラ相手に震えながら銃を構えたり、あまつさえミオリネに覆いかぶさって彼女を身を挺して守ろうともしていました。当たり前な動作で何気ない表現ですが「大人だって成長出来る」「大人だってやるときはやるのよ」というのを感じさせてくれて、正直一番感動しました。
この作品は若い少年少女の活躍が描かれますが、短い24話の中で大人の物語も少しずつ描かれています。その中でもベルメリアさんはキーパーソンのごとく描かれてきました。大人だって弱い、でもやらねばならないときがある。そんな作家の想いが反映されたキャラといえるのではないかと筆者は考えています。
④宇宙議会連合の暴走
戦況を見守る連合艦隊に議会上層部の息がかかった査察官が入る。
議員連合も一枚岩ではなく、この機会に企業グループを崩壊に追いやりたい者たちがいるのだった。査察官は言う。
「惑星間レーザー送電システムを使う」
デリングとやりとりをしていた艦隊司令官は慌てて被害が大きすぎる懸念を伝える。
「あれでは、、ラグランジュ4全域が崩壊します!」
問題ない、崩壊した地域の復興はペイル社が担うのだという。
「君たち企業は、大きくなりすぎた」
デリングもメッセージで制止しようとうするが、時すでに遅し。
レーザーは発射されるのだった。
圧倒的な光がクワイエットゼロに迫る中、その直撃を防ぐ者がいた。
ガンダムエアリアル、エリクトだ。
「だめよエリィ!やめなさい!」
プロスぺラが激情に吠える先、全力をもって直撃を受け止めるエリィ。
爆発と光が消えたあと、残るのはガンビットの破片と、大破したエアリアルだけであった。
④感想
さて、ラストにつながるところです。便宜上、途中に描かれた連合艦隊のシーンなどもこちらに入れております。
いやー、、ジェターク騒動も片付き、クワイエットゼロも止まり。平和に終われば万々歳でしたが、そうは問屋が卸さないのが『ガンダム』ですよね。
まさか急にソーラレイ(ソーラービーム兵器)が出るとは思わないですよ。確かに歴代ガンダム作品では終盤に大型兵器が出てきてたけど。ガンダムよりすごい兵器が出るのは忘れてたしマナーだけど。「この世界にもあったんかい!」という感じです。
これによってエアリアル(エリィ)が大破してしまったところで23話は終幕ということでした。
「今更何してんねん」という感じですが、連合議会的には企業グループの内紛が起こっているこの機会を見逃せないのは当然ですもんね。公としては民間に決定的ダメージを与えたい。しかし艦隊・兵器が通用しないので太刀打ちできない。ならば大量破壊兵器だと。
これは結局、最強の兵器や最高の技術なんかより悪意のある人間が一番やばいという揶揄で、私たちはハンターハンターのネテロ会長の死に様で知っています。
最終回は連合に対してどうやって落とし前をつけるか、というところが前半で描かれていくのでしょう。
どちらにせよエリィは無事に済んでいることを願うばかりです。
というところで、最終話直前のダイジェスト&感想でした。
ここからは最終回への考察などまとめます。
23話考察:最終回起こりそうなこと10選
ここでは最終回24話に起こりそうなこと(起こったら面白いこと)を10個ほど羅列していきます。ただの妄想です。
①地球側との交渉役にシャディク
23話にてミオリネと取引を行うらしいシャディク。
信頼のある彼が地球に行ってすべてを取りまとめる役を引き受けたとなれば、紛争の平和的解決は分かりやすくなります。
サビーネたちとともに地球に行って交渉団の中心になるのではないでしょうか?
その過程でグループに敵対する議員連合の議員たちの情報提供などもあり、事態は解決していくのではと筆者は思います。
②本物エラン、ペイル社を売る
今回もずっと不機嫌な顔をしていた(ような気がする)本物のエラン。
すでに彼の中では、ペイル社を立て直すというか復活させる算段などとうに付いているのではないかと思っています。
というところで、CEO4人に責任をすべてかぶせ切り捨てて、ペイル社と自身をグループに売りつけ、デリングに認めさせるという流れなのではないかと。
というのも本物エラン自身は別に悪いことをしているわけではないので、粛清を受けるのも変な話だよなというのが正直な思いです。
⓷エラン5号、地球に降り立つ
今回活躍した5号くんですが、ノレアの弔いのためにイラストに描かれた場所を目指し地球に降り立つのは濃厚です。
その際は顔も名前も戻すのでしょうが、顔を全く写さない方が、演出的にはカッコイイなと思ったりしています。
④ペトラ、GUND技術で回復
大けがを負ったペトラですが、次回では目が覚めるでしょう。
その際の後遺症をGUND技術で補う、というSNS的なアイデアは、非常に良いものだと思います。というのも、株式会社ガンダムがペトラに関わることで、ラウダのミオリネに対する憎しみの穴を埋める効果もあるのではないかと思うからです。
ご都合展開ですが、それで良いのです。
⑤フェルシー、デレる
これは、グエルとフェルシーがカップルになる、と言い換えても良いかもしれません。
グエル、お前はもうスレッタのことはあきらめろ。
ということで2人がデートに出かけるところが見たいです。
⑥ニカ、ロウジィに推されて復学
「罪をつぐなってから」と言っていたニカですが、さまざまな人たちの助力で情状酌量になるのではないかと考えています。
その際に発言してくれるのがロウジィ。
そんなロウジィをイジるのがセセリア。
そして慌てるマルタン。
それが良い。ああ、平和だ。
⑦議員連合、脅迫される
今回デリングによるメッセージを無視し、あまつさえ攻撃した議員連合。
「おまえら分かってるよなぁ」って感じでこの後詰められても仕方ないです。
とはいえ作中登場したソーラービームと連合艦隊は健在。どのように連合に対するのか想像もつきません。
取り急ぎ、艦隊司令官の女性の節度ある態度に期待するしかありません。
⑧スレッタとミオリネ、誕生日会(結婚式)する
これは既定路線なのではないでしょうか?
作中ではミオリネの独断で延期されてしまった誕生会ですが、やっぱり物語の最後はこれをやらねば話は終わりません。
今こそ明るく元気に幸せのハッピーバースデーを歌うときです。
⑨エリィ、実は平気だった
今回ラストに大破してしまったエアリアル。しかしハッピーエンドを迎えるためにはエリィの存命はかかせません。
すでにMSと一体となってしまっているエリィですが、コアユニットが無事で、それをハロに移植、ハロがスレッタと同じ声でしゃべってっプロスぺラやみんなと話をするという幸せな絵を見せてください。お願いします。
⑩サブタイトル『祝福』
第1期のオープニングテーマであるYOASOBIさんの『祝福』。
やはりこれが最終話のタイトルになってほしいです。
親によることばの呪いを解いたスレッタは、22話以降、自分の足で歩んできました。
ミオリネも一緒です。誕生日や結婚などをみんなで笑顔で祝福してほしいですね。
ガンダムだからってみんな死ぬ必要はない。
きれいに終わっても良いんですよ。
以上10選でした。
好き勝手すみません。
ラスト、まとめです。
第23話感想・考察まとめ
ということで23話についての感想などでした。
5年ぶりのガンダム新作となった『水星の魔女』は初の女性主人公作品という意欲作でしたが、2クールで駆け抜けて、非常に盛り上がったと思います。
駆け足でしたがテーマも親問題など挑戦的で、スレッタ自身もリプリチャイルドという試験管ベビーで、、
あれ、リプリチャイルドのスレッタって、女性で良いんですよね?
そんなわけで、
次回24話最終回です。
完走です。
楽しみましょう!
ではでは
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