【※ネタバレあり】ファミリアクロニクル・アスフィ編【感想】
さて、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の外伝『ファミリアクロニクル・アスフィ編』の感想です。
本作は本編21巻、外伝『ソードオラトリア』と3冊同時発売という狂気のスケジュールとなっております。
先に言うと、今作は他の2冊とは内容的に関係はありません。
本作について端的に表すと、こんな感じです。
#ダンまち
— 山田 (@YxMxDx) October 22, 2025
「ファミリアクロニクルepisodeアスフィ」
「ネタバレなし感想」
10月に本編、外伝、さらに外伝という3冊同時発売…
今作はそんな狂気の作品"ダンまち"における常識人代表アスフィのオリジン・ストーリーです。
齢10歳ながら既にツッコミスキルがM-1級の幼アスフィたんが大暴れです。
ということで、万人というよりはダンまちファン向けの「掘り下げ作品」として読む作品かなと思います。
今回の感想は前半はネタバレなしで、後半はネタバレ全開で書いていきます。
それではいきましょう!
あらすじとネタバレなし感想
如何にして彼女は《万能者(ペルセウス)》となったのか――
大人気の「ダンまち」シリーズ外伝に新作が登場!!!
それは神の眷族が紡ぐ歴史の欠片――。
「『幽霊船』?」
多忙な日々を送るアスフィのもとに届いた冒険者依頼。港街沖に出没する謎の
『幽霊船』に、用心棒のリューとともに乗り込むヘルメス・ファミリアだったが、
「メリルとネリーが幽霊にさらわれた! それに……疾風まで!!」
数多の亡霊、消える仲間、相次ぐ怪奇現象。
船は魔境に誘うように海を進み、辿り着いた先は――在りし日の海底都市。
「私の故郷……海国(デイザーラ)!?」
混沌渦巻く霧と海の迷宮の中、究明の刃を【万能者】が突き立てる!
海国の王女が英雄の靴を履く前日譚も収録されたクロニクル・シリーズ第四弾!(引用:Amazon)
ということで、リューの外伝2冊とフレイヤのクロニクルに続いた第4弾は、オラリオが誇る"万能者"アスフィのクロニクルでした。
クロニクルシリーズはまさにダンまちの外伝としてサブの重要人物に焦点をあてた物語ですが、今回のアスフィのお話は、彼女をしっかり掘り下げる2段構成になっています。
以下の通りです。
- 前半:『ダンまち』本編開始数年前に起きた「とある事件」について
- 後半:アスフィが冒険者になる経緯
ダンまちファンならお馴染みですが、ヘルメスファミリアは諜報などもこなす"クセ強集団"ですが、実は深くは語られていない謎のチームです。
この1冊ではそんな彼らの活動やそれぞれのキャラについてさらに理解できるようになりますし、もちろんアスフィへの愛が深まります。
意外とツラい人生だったようです、、、。
そんなこんなもありつつ、スパイものの要素もありつつで、いつもの雰囲気とも若干違って面白い作風の今作。
物語も1冊でしっかり完結していますので、非常に読みやすいです。
「お!?」と驚く世界観が広がる情報も出て来たりなんかして。。。
『ダンまち』の熱いフリークはもちろんチェックしていると思いますが、ちょっと気になっている人、迷っている人も気軽に楽しめる1冊になっていますよ。
ということで。
ここから先は読んだ人限定の「ネタバレあり感想」です。
ネタバレあり感想
そんなわけで、ここからはネタバレありです。
1、幽霊船事件とアスフィの過去
本書は過去編2編で出来ているサイドストーリーです。
2編とは以下の通り。
- 本編より少し前の「幽霊船事件」
- アスフィの幼少時代編
ということです。
まずは最初のお話、メレンでの「幽霊船事件」。
本件は本編からは数年前、暗黒時代を経て、本編までの間に起きた事件で、ヘルメスファミリアが解決に駆り出されます。
結果、真相は魔法大国アルテナがリヴァイアサン由来のアイテム狙う体でアスフィを狙ってきたという話でした。
アルテナは魔道具の大国でもあるということで、ライバル視して誘拐しにきたという。
最終的には戦いは既に滅んだディザーラの都市を舞台に行われます。
ヘルメスファミリアの都市外活動メンバーがアルテナに抱え込まれてスパイにされていたというのもあって、けっこう衝撃的な展開も面白かったです。
伏線回収型の文体で「いつものダンまち」とは若干違う風味を味わえます。
ヘルガーがLevel4であるなどの情報もなかなかオタクには興味深いところでした。
もう1つの話はアスフィの過去編で、ヘルメスとの出会いが描かれます。
アスフィの過去、というかディザーラの過去が割と陰惨で、彼女が故郷に見切りをつけた経緯が描かれます。
けっこう重たい話ですが、最終的にはスカッとするので読後感は良い感じです。
面白かったのはヘルメスファミリアの先代団長であるリディス。
明るくてなかなか良いキャラでしたが、闇派閥との戦いの中で故人となってしまったようで、もったいないですね。
ヘルメスと同じような性格の女子はオラリオには見当たらないのでヘルメスファミリアにいても良いかなと思いつつ、アスフィの苦労が倍になることを想像すると同情を禁じえません。。。
ということで『オラリオクロニクル・アスフィ編』はアスフィの過去2編でした。
アスフィのサイドストーリーということで完全にダンまちフリーク向けですが、サクッと読めるのでファンにはおすすめです。
2、新情報と考察
今回の作品の中では「魔法大国アルテナ」が何度か登場しました。
ダンまち世界の勢力の1つということで時折話題に上ってきましたが、本格的な登場は初ですかね。
面白いのは「アルテナが国家系ファミリア」で「主神が大神オーディンだ」ということです。
今回出てきたアルテナキャラたちはモブで雑魚でしたが、主神の格から言うと確かに結構大勢力っぽいのかも。
まーアポロンの例もあるので何とも言えませんが、この時点で黒竜討伐もオラリオとは別方向で検討しているという情報もあったようなので、なかなか興味深いです。
オラリオ以外のLevel7は「学区」のレオンしかいないみたいなので強キャラはあんまり期待できませんが今後何かしらで絡んでほしいですし、魔法大国ということで作者大森先生の別作品である『杖と剣のウィストリア』の歴史とも関係していそうです。
ちなみにダンまち世界の他勢力で出てきてないのは「帝国」くらいですかね。
こちらも他のサイドストーリーで登場するかもしれませんね。
ということで、今回は以上です。
まとめ:次は誰だ?
というわけで、今回のまとめ。
- 今回はアスフィの過去編
- 幽霊船編ではアルテナを相手取ってヘルメスファミリアが大暴れ
- もう1編のアスフィ過去編はアスフィのオリジンストーリー
- ディザーラの姫だったが国家の礎に(物理的に)されそうだったのでヘルメスに唆かされ脱出
そんな感じです。
他については記事内容を読んでください。
ところで次回があれば、だれのクロニクルなんでしょうかね。
アイズとかリヴェリアは本編やソードオラトリアで語られそうだし、、、。
ちょっと思いつかないですが、ゼウス、ヘラファミリアの人物が登場する外伝は読んでみたいですかね。
本編では十分扱いきれなさそうですし。
そんな感じで期待します。
それでは!
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