機動戦士ガンダムGQuuuuuuX感想3完結編【ネタバレあり】
ジークアクスが終わって、早1か月がたちまして。
最終回は皆さん、もう見ましたね。衝撃でしたね。
古参ファンも新規ファンも、さまざまなショックを受けたのかなとは思いますが、筆者も全然考えがまとまらなくて感想を書けずにいました。
ということで「ジークアクスとはいったい何だったのか」ということで完全に個人の感想を書いていきたいと思います。
全然まとまってないので散文的になりますけど、良かったらお付き合いください。
それでは、よろしくお願い致します。
機動戦士ガンダムGQuuuuuuX感想【ネタバレ全開】
ということで、散文的感想です。
全体の感想
まず、本当に個人的な感想を書いていくので、「あ、これ読みたくないな」という方はすぐにゴーバックしていただければと思います。
ということで、まず全体的なところで書いていきます。
上述したように「全然まとまらない」というのが全てではありますが、最終的な感想は「何が描きたかったのか分からない」というのが正直なところです。
と言っても普通に面白く楽しんだんですけどね。
「やっぱララァじゃん!」みたいな。
ところが最終回を見て1か月経って、何か残ったのかと思えば、実は何も受け取っていないんじゃないかという。
筆者はこれまで青年時代にガンダムからZガンダムから一応様々なガンダム作品に触れてきましたので、基本的にガンダムならなんでも面白いんです。
というのも例えばそんなに評価されてない『オルフェンズ』でも『水星の魔女』でも、筆者はストーリーを面白がれたんですよね。
今回のジークアクスも色々なYoutuberさん、考察する人、解説する人の話を結構さらってきたのですが、メタ視点でどうとか、監督や脚本の方がどうとか、構成がどうとか、スタジオがどうとか、そんなんばっかりでね。
「物語を通じてのメッセージはあったのか?」という。
うーん、でも登場人物がガンダムのキャラが出てきたりクロスしたり、面白くなくはなかったしなぁ。
というところで、まとまらないんですよね。
一つ言えることは、ジークアクス固有の主人公キャラだったマチュとニャアンはもっと描いてほしかったなと思ったりします。
どうだろ、筆者が受け取れてないだけなんですかね。
作る側がシャアやらララァやら、昔のキャラを描き直してシャリアブルにライドして満足しちゃったのかなと思ったりします。
「アニメは子供が見るもの」というのは前時代的な観念だということは理解しているんですけど、マチュ達を主役にするなら少なくとも彼女たちの年齢(15歳くらい)に向けて作ってあげてほしいかったですかね。
マチュについて
つーことでジークアクスの感想は色々あるものの、物語そのものを楽しみたい筆者は登場人物についてしっかり追いかけ考えていきます。
その中でまず触れたいのは、このGQuuuuuuXの主人公であるマチュ。
そんな彼女のこの物語の中での流れをもう一度振り返りたい。
マチュは1年戦争とは距離を置く中立国家サイド6(とても日本っぽい)の国家公務員の家庭に生まれた一人っ子で、私立の女子高に通い、塾にも通い、周りから見れば何不自由ない環境に生きている。
中流、というよりも現代的な価値観で見れば”勝ち組”の存在で、学校でのカーストもやや問題児ながら上位のよう。友達もいる。
しかし、彼女にとっては変化も波も無い平和な日常が退屈で、やりたいことも見つからず燻っており、髪を染め、塾をサボり、どこか上の空。
この物語はそんな彼女がガンダムに出会ったことで日常が非日常になっていく物語でした。
彼女はそこからたまたま落ちてきたガンダムに乗って、警官をぶっ飛ばして、世界をループしている謎の黒髪イケメンに出会い恋に落ちて、モビルスーツバトルに出場して、ニュータイプになって、挙句の果てに強盗してテロリストになって(されて)捕まって、いつの間にか大気圏に突入して地球に行って、ジオン軍を虐殺した友達をぶん殴って、恋する男を助けるために世界をループしては泣いている一人の少女を救った。
そして好きな男の子とは分かり合ったし、最後には地球の海で泳ぐという当初の目的まで達成してしまった。アニメ的にはたった12話という短い時間の中ではあったが、大冒険でしたね。短かったけど。
しかしながら、どうでしたか?
彼女にライド出来ました?
筆者は理解しきれなかったです。
筆者にとっては「人間臭さ」が感じられなかったのかもしれないです。
彼女は真っ直ぐで確かに「考えるより走れ」と思う部分はあって、行動力があるのは良いことだ。
でも、もっと挫折して苦しんでも良いんじゃないでしょうか??
とはいえ、このGQuuuuuuXはこの先の余白があるんで。
シャアやララァというガンダムの因果とは関係ないその余白で、いつかシュウジを捕まえて、顔を真っ赤にして大声で告白してください。
ちなみに物語中では成長らしいはなかったかもしれないが、ラストシーンの彼女は良い顔をしていたので、思春期のモヤモヤがスッキリして良かったなとは思う。
ニャアンについて
マチュとW主人公となって対比して描かれたのがニャアン。
登場当初は難民で貧困で永住権も無く居場所も無く国外退去待ったなしで闇バイトをしていた彼女。
彼女の存在なくして物語は語れない、はずなのだが、こちらも正直言って若干不完全燃焼だったように思う(マチュよりは描けていたように感じるが)。
作中を振り返ると、マチュに振り回され(クランバトルで殺し合いもさせられた)、シュウジには一人でバックレられ、キシリアに見出されるも暗殺されかけたり、大量破壊兵器を運転させらたり、挙句の果てには”シャアの2番煎じ”だと言われるなど散々だったニャアン。かわいそうだ。
彼女は感情を爆発させるのはモビルスーツに乗ってサイコミュを覚醒させるときだけで、しかもキレていた。そりゃそうだろうと思う。
そんなニャアンは、何を求めていたのだろうかと考えて辿り着いたものは、言い尽くされているけど「居場所」なのだろうと思います。いつも居場所を求めて彷徨っており、相手の益・不益を考えて、受動的で流されて。
でもこれはしょうがなくないか?難民なんだから。
キシリアにも「自由を勝ち取れるのだぞ??」と言われていたけど、彼女はそんなにハードル高く生きていないわけで。
マチュに「お前が必要だ」って損得なく言われたのが嬉しかったのは非常によくわかる。マチュは最終的にはテロリストで根無し草になったけど、そんなマチュでも自分と一緒にいてくれるだけで嬉しいんだろう。分かる、分かるよ。誰かに必要とされるのは嬉しい。
というようにニャアンには割とライドしていたのですが、不完全燃焼さはどこに感じたのかと言うと、感情の爆発がもっと見たかったとは思う、若いんだから。
泣いても良いじゃないか。マチュともっと喧嘩しても良かったよ。
最終回の先、ちょっとずつ感情を発露させて生きてほしいなと思う。そこはストーリー内で成長を描けるほどは話数がなかったのかな。
ちなみに、とある考察動画ではニャアンはインドネシア系のコロニー移民だから、インドネシア系の言語とフランス語と英語とサイド6で生活したことで日本語も使えるのではないかというのを見た。
すごすぎないか?アルテイシア様の下で働きなさい。
ということで彼女については報われてほしい部分もありつつ、いつかイオマグヌッソ発動の責任を取らされる日が来るのではないかと、見ることのない未来にガクブルしたりもする。
エグザべ君について
主要人物としてマチュ、ニャアンときたらシャリアブルなのだろうが、それは次の項で語るとして、次にピックアップしたいのはジオン次期エースであるエグザべ君。
エグザべはオールドタイプとニュータイプの間の秀才パイロットとして描かれた。育成機関も主席卒業だったらしい。優秀。
また彼はキシリア派閥でありながらギレン派と目されるシャリアブルの監視役にも抜擢され、最終場面ではキシリア直轄部隊のリーダーの任にも就いており、ニュータイプパイロットとして英雄でありながら反旗を翻したシャリアブルとも互角に渡り合った。凄いことだ。
ところが彼の描かれ方は恵まれない。初手で不運にもマチュにガンダムを奪われた上に、自分ではうんともすんとも動かせなかったサイコミュシステムもあっさり起動させられてしまった。
その後もサイド6で尋問されたり殺されそうになるし、旧友はヤバい思想に洗脳されてるし(その友達も秒で死ぬし)、挙句の果てにはニャアンに俺にも飯作ってほしいとか気軽に言って拒絶されてしまう(絶対童貞だ)。
そのあたり年齢相応っぽいところはキャラとしての愛嬌だ。
そんな優秀ながらどこか抜けた男エグザべ。
人の心を察したり、第六感が働くような超人ではなかったかもしれないが、とても愛すべきキャラだった。ギャンもカッコ良い。
彼のような奴がラストバトルで死ななかったのは救いがあって良い話だと思ったし、最後に殺し合いを演じた相手のシャリアブルまで拾ってやるなんてヒーローの振る舞いだと感じた。
この瞬間は命令が無いと動けないエグザベが自分の頭で考えて動いた・進化した瞬間だったのではないだろうか。良いぞエグザべもっとやれ。
エグザベはとにかく折れなかった。
味方だったシャリアブルが裏切り、マスターキシリアがいなくなり、ニャアンが密命で消えたり、友達がスパイで目の前で消し炭になったり、そもそもマチュに愛機のガンダムを取られたりしても、全然心が折れなかった。
フラナガンスクールに入る前は難民だったと言うし、そもそも彼はちっとやそっとじゃ揺るがない鉄のメンタルを持っていたのだ。
きっとこれからも忠実に、ジオンの遊軍一番槍として緋村剣心のごとく東奔西走するのだろう。
ギレン派残党の反乱を圧倒的才覚で制圧する主人公エグザべを夢想したい。
シャリアブルについて
この作品は「制作会社カラーの製作陣が作っているのだ」というメタ視点で読み取らざるを得ないように作られている。
キャラ、背景、セリフ、話の構成、脚本、メカ、設定などなど作品の中に無数に散りばめられた多くの情報が現実世界の何かを暗喩しているのだと歴戦の"ガノタ"考察者達はそこかしこで語っている。
「やりやがった!これは〇〇のことだよね!」
そのような意味において、シャリアブルに課せられた役割は重い。
彼が作中に達成しようとしたミッションは「ニュータイプが生きやすい新時代を作ること」だった。
ギレンもキシリアも共感したシャアすらも全部排除して作る新時代。
こんなん「鶴巻監督がガンダムを使ってガンダムで新時代を作るんだどうだこうだ」ってメタ的に語らざるを得ない。スタジオカラーの新時代を作るんだってそんな重い任務がシャリアブルの双肩にかかってしまっていたと見ざるを得ない。
というか、ここに力を入れすぎだろ。マチュ霞んじゃったじゃん。
というのが感想です。なんやかんや言って面白かったけど、構造が非常に同人誌的でしたね。
そういうのがパンツ脱げってことなのか?と思ってみていました。
ありがとうございます。
シュウジ・イトウと別の世界
このストーリーの中にあってオリジナルキャラでしかも重要なキャラはやっぱりシュウジですね。
筆者は最後まで彼がよく分からず、「こいつ結局なんやねん」と思っていた。
いや、作中の部分は分かります。丁寧に説明してくれたから。
でもシュウジはどこから来て、どこに行くのかは最後まで全部は明かされなかったですね。そういうことじゃなくてねって。
まぁでもとりあえず別世界の人みたいな。
んーでもララァが帰ってシャアを守る任務を全うすると、結局彼女はアムロに殺されるんですよね。だからメビウスなんでしょ。
でもそうなるとシュウジの居場所無くない?
逆シャア世界から来たアムロ・シャア・サイコフレームと我々の知らないガンダム世界からやってきたララァという全部が収束してジークアクス世界になって、最後にララァが異世界転生して正史ガンダムに繋がるのが今回のストーリーだったと筆者は理解しているのですが、このメビウスにシュウジが入る場所が無くて。
まぁもはや別にシュウジは誰でも良いんですけど、ここまで色々理屈つけるなら、もうちょっと答えを示唆してほしかった。
これは例えばゼクノヴァにも言えるんですけど、現象としてミノフスキー粒子による異世界ワープなんだと思ったら同じ世界にもいるし、謎を用意するならもうちょっとルールを教えてほしい。
だからエヴァもあんまり好きになれないんだよな。
エンデュミオンユニット
最後に唐突に出たエンデュミオンユニットですが、アムロを演じているのが古谷徹がタキシード仮面でセーラームーンが好きでそこからエンデュミオンだって、、
知らねーよ!
まとめ:【評価】機動戦士ガンダムGQuuuuuuXって何だったのか?
さて、アルテイシアがジオンを率いることになったジークアクス世界。
どんなことが起こるのか、最後に妄想しましょう。
- シャリア遊撃部隊、マ・クベ反乱軍を粛清
- バスクオム、地球連邦過激派(シン・ティターンズ)を糾合
- シン・ティターンズ、中立派コロニーで秘密工作からの難癖つけて第2次宇宙戦争開戦
- 宇宙海賊ジークアクス、武力介入
- 宇宙治安防衛部隊総帥にパプティマスシロッコが就任
、、、
ということでガンダムといえば戦争。
仮想戦記、楽しいやないかい!
そんなわけで、ジークアクスはスタジオカラーによる楽しい楽しい仮想戦記!
現代アニメの最高技術の詰まった同人続編!
オタクSNS融合文化の最高臨界点!
ガンダムを使ったガンダム神話の語り直し!
空虚で豪華な宝箱や!!
今回は以上です
それでは
◆関連記事








