【※ネタバレあり】劇場版名探偵コナン隻眼の残像(フラッシュバック)【感想】

【※ネタバレあり】劇場版名探偵コナン隻眼の残像(フラッシュバック)【感想】

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劇場版コナン、いつの間にやら28本ということで。

1年に1本やってるとして、もうすぐ30年やないか。

 

 

ということで、一応毎年劇場で見ていますが、今回はレビュー記事にしていきたいと思います。

 

 

今回は表題の通り、完全にネタバレありでレビューしていきます。

感想などは完全に個人の視点ですが、ぜひ映画を見てから読んでいただければ幸いです。

 

 

 

今作の冒頭(今回はこんな映画)※ネタバレなし

まずは、今回は「こんな映画だよ」ってことで、事件のはじまりを確認していきます。

 

①10か月前:長野県警の大和敢助は雪山で"ある男"を追っていた。不意に別方向の何かを目撃し気を取られた瞬間、ライフルで銃撃を左眼に受ける敢助。そして彼は雪崩に飲まれてしまうー

②10か月後:長野県の天文台で侵入事件が起こる。左眼と足に傷を負いながらも生還していた敢助と上原由衣のコンビが駆けつけるも、動くパラボラアンテナを見た敢助の傷が急に激しく痛みだすのだった。

③同じ日の夜、小五郎の過去の同僚"ワニ"こと鮫谷刑事から小五郎に電話が入る。

長野県警の大和敢助が巻き込まれた雪崩事故について調査しており、事件ファイルにあった小五郎に連絡したきたのだ。

後日、コナンや蘭とともに会いに行く小五郎、しかし眼前で鮫谷が銃殺されてしまう。

激昂するコナンは犯人を追うも、辛くも逃げられてしまう。

慟哭する小五郎。

④そして、鮫谷が調べていた件から、舞台は雪深い長野県へー。

小五郎とコナンもそれぞれ長野へ向かうも、なんといつの間にかコナンの襟元には盗聴器が仕掛けられていた!!これは、公安!?

因縁絡み合う長野では、何が待ち受けているのか?

鮫谷はなぜ殺されたのか?

10か月前に敢助が見たものとは??

真実はいつも、一つ!!!

 

ということで今回の映画は、小五郎・長野県警・公安という3つのキーが絡み合っていくということです。

 

 

長野県警の大和敢助は原作初登場時から隻眼で身体も不自由でしたが、彼がこうなった部分も描かれると。

 

 

諸伏高明と上原由衣もしっかり出てくるので、思わせぶりな「長野チーム回」という感じ。

 

 

次は、内容のネタバレ込みでキーパーソンたちの作中での設定や流れを解説・レビューします。

ここからは完全ネタバレありになりますので、ご注意ください。

 

 

今作のキーパーソンたち(※超ネタバレ)

毛利小五郎

ご存じ「眠りの小五郎」。今回は旧友・鮫谷を殺されたことで発奮。映画ラストに圧倒的銃撃センスと男前セリフを披露し、今回の主役としては面目躍如となった。しかし自力での名推理シーンは無し。ここについては映画好きたちが賛否両論らしい。

 

 

鮫谷浩二

初出演キャラで警視庁の内勤刑事(と思ったら隠れ公安だった)。声優は平田広明さんで小五郎の旧友ということで今後の重要キャラかと思いきやアバンで死んだ。彼が公安として調べていた一件が「敢助が雪崩に遭った件」だったことから舞台が長野へ移っていく。

 

 

長野県警チーム

大和敢助・上原由衣・諸伏高明の3名が原作から登場。敢助が隻眼になった雪崩事故の際に目撃した事が今回の事件の原因となっていた。諸伏は今回犯人との格闘の結果、滝から転落。生と死の狭間で殉職した弟・景光(スコッチ)の幻影に会い、見送った。また今回は原作から発展した敢助と由衣の大人ラブコメも描かれた。

 

 

公安コンビ(降谷・風見)

今回の事件の原因には国の司法制度が関わっており、公安警察の人間が多数登場するため、この二人の活躍場面が多かった。

 

 

林篤信

山梨県警の内勤だが、隠れ公安刑事。8年前に起きた強盗事件が原因で負傷した恋人が自殺した。そのときの犯人の1人が司法取引で刑期軽減となったことを知り、個人的私怨で司法取引の法改正審議中の国会自体を脅迫していた。 これがバレそうになり、10ヶ月前に目撃していた大和敢助(記憶が戻りそう)を助けるふりをして監視、幾度となく殺害しようとした。

そしてその過程で知られそうになった鮫谷を殺害。ちなみに冒頭の天文台侵入は国家脅迫のためのさらなるデータを傍受しようとしたためであった。

最後まで悪態をつき雪山でアクションを繰り広げるが、逮捕された後は安室に強制的に司法取引に応じさせられることとなった。

 

 

こんな感じで内容そのもののを押さえたところで、ここからは個人的感想や見どころを述べていきます。

 

 

ちなみに筆者はコナンが好きで原作を読んでいますので、読者視点・ファン視点での感想となります。あしからず。

 

 

この映画の感想や見どころ

小五郎の活躍

今回は前情報通りではあったが、小五郎の活躍が描かれた。この映画は旧友"ワニ"こと鮫谷刑事が殺害されるというショッキングなシーンから始まったので致し方ない。小五郎は身内が害された時が一番キレる。

銃撃については「作中一番上手」という設定はあったと思うので、見せ場を銃に持ってきたのかなと思った。自力推理シーンは無かったが、彼が答えに辿り着くには時間や情報が足りなかったのかもしれない。もう少し林が近くにいたら推理しきっていたか、、。

ただ、長野県警チームも推理センスがある人ばかりだったので、探偵役がけっこう渋滞しているように感じた。難しいですね。

とはいえ最後の「お前が撃ったことにしとけよ」は"刑事モノ"っぽくて良かった。

 

 

犯人が割と凶悪

犯人の林の動機(恋人の自殺の原因になった犯罪者が刑期軽減になった)は理解したものの、彼の劇中での行動を思い出すと、かなりの狂気を感じる。データ傍受して国会脅すくらいにしとけばかわいいものだったのに、鮫谷を街中で普通に銃殺してるし、元太や光彦や蘭にも普通に銃を構えてる。雪崩も躊躇なく起こしているし、敢助を隠蔽のために躊躇なく殺そうとした。

ラストのカーチェイス部分でも由衣に銃向けて笑ってるし、ちょっとぶっ壊れちゃってるなというのはあった。

そこは脚本が『相棒』の桜井武晴さんということで、逮捕シーンでもっとがっつり説教しても良かったと思う。

安室さんはだいぶ怖めにいってたけど、杉下右京ならもっとやってる。

「知っていますか!!あなたが殺した鮫谷刑事には恋人がいたんです!!あなたと同じなんですよ!!」なんて言ってブチギレそうだ。

警察の矜持を使った軽めの説教も良かったけど、もうちょっと感情的な"分からせ"が欲しかった。

 

 

光彦と元太がMVP

今回の映画のMVPは、間違いなく元太と光彦。銃を構えた犯人に飛び掛かって証拠品までブン獲った元太。スマホを使った機転で犯人を引かせた光彦。かっこよかった~。

難を逃れたあとに蘭に震えながら抱き着く2人を思い出すと、今でも涙が出る。

蘭の言う「怖かったねぇ頑張ったねぇ」は本当にその通り。かなりサスペンスしてました。

ちなみに蘭が子供のピンチに飛び出してきて犯人に食らいつき、銃弾をよけるのは、もうデフォです。たぶん次回は蘭の格闘シーンに特別BGMがつくでしょう。

 

 

敢助と由衣と高明について

今回は長野県警チームについてかなり描かれた。長野県警の面々はいずれも原作以降伏線を残していたが、敢助と由衣についてはもう描き切ったのではないかと思う。

全員がかなり出来る人物たちだったので本編で何かしら"黒の組織"周りにも絡んでくるのかなと思ったが、今回の話を見るに、この2人はもうあとは結婚するかどうかしかない(笑)。

問題は高明で、弟がスコッチだったということから安室とか組織関連の話題にはまだ登場の余地がある。

とはいえ、今回劇中で「弟の弔い」というのは見られたので、高明伏線については「半分くらいは回収したのかな」と感じられた。

彼は今後先々、組織とのバトルには個人参戦してきそうだなと思っている。

このままフェードアウトは速水奨さんがもったいない!

 

 

「内調・長谷部」という濃い新キャラと広がった世界観

キーパーソンには入れなかったが、今回は内閣調査室の長谷部陸夫というキャラが登場した。いわゆる"内調"だ。

この役職や組織は非常に『相棒』っぽいのでコナンとしては新しい方向性で世界観が広がった。

担当声優も関智一さんということで、絶対これから原作逆輸入するだろうという存在感のあるキャラだった。

"黒の組織"との闘いは国家レベルになりそうな気がしてるので、そういう場面で出てくるのか、何ならこいつも実は、、、なのか、日本政府にも組織の奴が紛れ込んでいるのか、、、などなど、想像が膨らみますね。

おや、面白いぞ。

ちなみに彼が会議室に入ってきたときにコナンが「やべっ」て隠れたのは何かの伏線なのだろうか?

 

 

隠れ公安多すぎ問題

今回の犯人・林や鮫谷は"隠れ公安"という実は公安刑事だったのだが、そんなに公安っているのだろうか。多すぎやしないか。

ちなみに公安とかそういう話になるとますます『相棒』っぽいなと思ったりした。

確かに物語が今後「"黒の組織"と戦う」みたいな風呂敷畳んでいきますってなると、今出てきてる赤井家チームとかCIAとか公安とか出番が増えますよね。

と思ったのも、今回、風見は諸伏弟のことを知った。

彼はあれについて間違いなく調べると思うので、突っ込んだらどこで何して殉職したのかって知るはずだ。

よって、完全に妄想だが、コナン世界の日本の公安は"黒の組織"に真正面から向き合わなければならない日が来るんじゃないのかなと。おやおやと、これは来ますよ。終わりの始まりかもしれませんよ!

長谷部も来たし、整ってきましたよ!(長谷部だけに)

ということで、風見が組織に消されないようにだけ祈っていきたいと思います。

 

 

まとめ:今回の全体の評価

ということで、まとめです。

色々個別に述べてきましたが、映画全体の評価とすると以下の通りです。

  • コナン映画として:86点
  • 映画として:70点

こんな感じですかね。

 

 

色んなところで言われていることですが、今回の映画は長野県警チームに関しては予習は必要だと思います。筆者は原作ファンなので、由衣たちのラブコメ部分も楽しめたし、高明のシーンも上がりました。

正直、普通にアニメの続きみたいな気持ちで見てました。

 

 

小五郎の「推理しない問題」については、とにかく小五郎フォーカスというよりは元太や光彦と同じように一人ひとりに見せ場をちゃんと作りたいという狙いなのかなと。

(あゆみちゃんも活躍してほしかったかな)

 

 

この視点から言うと、初見の人、久しぶりにコナンを見る人は長野周辺の話は分かりにくいと思いますし、楽しむのは難しいのではないでしょうか。

ちょっともったいない。

 

 

”公安”のニュアンス(公安って何?みたいな)も、コナンや相棒を見てきた人は分かると思うのですが、もうちょっと説明してほしいなと思いましたし、そもそも小五郎の話なのか、長野県警の話なのか、公安の話なのか、そこに8年前とか3年前とか10か月前とか時空もねじれたりして、ちょっと要素が渋滞して複雑すぎたなという感じです。

 

 

まぁこの辺り、次々回が30作目は記念ってことで黒の組織やらなんやら超超超分かりやすいエンタメを本編巻き込んで絶対ぶっこんで来るはずなんで、今回28作目『隻眼の残像』はそれに向けて、しっかりファンに作った「ジャンプしゃがみ回」ではないかなという感想です。

「分かる人に超刺され~」みたいな。

 

 

それでも売り上げが相変わらず100億越えで上がっているということで、明らかに原作勢以外もちゃんと見てますよね。

ありがたい。29作目も期待です。

 

 

ということで、

今回はここまで!

 

 

現場からは以上です

 

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